故人を送る儀式である葬儀では、祭壇の存在感は大きいです。祭壇には、白木祭壇と生花祭壇の二つの種類があります。白木祭壇は、日本の葬儀で伝統的に使われてきたものです。土葬が一般的であった時代に、棺を輿に入れて、野辺送りをした慣習にルーツがあります。生花祭壇は花を飾る祭壇です。業者の立場からすると、遺族には白木祭壇を選んでほしい、というのが本音なのです。というのはこれは使い回しですので、葬式のたびに、何回でも利用できます。当然ながら、業者にとっては、最初に白木祭壇を購入したときの費用の負担だけで済みますから、その後に、遺族から受け取る祭壇使用料金は、そのまま葬儀社の利益になります。反対に、生花祭壇であれば、葬式の都度、新鮮な花を仕入れて飾らなければなりませんから、葬儀のたびに費用が発生してくるのです。とはいえ、人生の最後を、日本の伝統である白木祭壇でしめやかに送る葬儀を望む声が少なくないのが実際です。